2008年6月号
【特集PART1】:『CATV事業者における通信サービスの現状と未来』
第一部 CATV事業者における通信サービスの現状と未来
第二部 ケーブルテレビショー2008プレビュー
通信事業と放送事業を隔てる壁が崩壊して数年が経過したが、各々の事業者とも互いの領域における顧客層拡大については今もって試行錯誤を続けているプレイヤーが多いのが現状のようだ。ことに、CATVオペレータは通信キャリア及び放送事業者の両者との競合という厳しい状況に置かれている。そのような中で、彼らは競合との差別化や新規サービスの事業化ということで、DOCSIS3.0CMTSや光化、WiMAX等による通信線路の整備、またIP電話や緊急地震速報サービスなど多すぎる選択肢の中で混迷を続けているように見える。もちろん各オペレータにおいては加入世帯の規模や経営資源も異なるので、誰もが満足する解を導き出すことは困難だ。しかし、本特集では、通信業界の立場からCATVオペレータの通信線路整備の向かうべき方向とその上で重要となる配線管理(=情報管理)について第一部で、またオペレータの進むべき道をフォローアップするケーブルテレビショー2008出展社の製品を第二部でピックアップして紹介してゆく。
【特集PART2】:『DPI市場、アプライアンスベンダVS.装置ベンダ』
Peer to Peer(P2P)技術は、使う側にとっては便利だが、大量のネットワーク帯域を消費することから、これを制限しようとする様々な技術が開発されている。こうした技術の延長線上に、さらに深くパケットを見て、単に帯域制御だけでなく、ネットワークのセキュリティ確保にも、新たな課金のための情報収集にも利用する技術も出てきている。これがDeep Packet Inspection(DPI)だ。
DPI専業でアプライアンスを販売しているベンダの数も増えているが、ルータ/スイッチベンダ、Cisco、レッドバック機能を搭載し始めている。DPIを超える性能を実現していると主張する新興ベンダさえ現れている。
DPIが注目されている中で、DPIアプライアンスベンダと半導体メーカー、LSI社は、DPI技術普及のための組織dPacket.orgを共同設立した。
【特集PART3】:『光ファイバとセキュリティシステム』
ブロードバンドの普及は、情報化社会への貢献はもちろんのこと、高度なセキュリティシステムの構築の実現にも寄与している。今や世界各国で監視カメラシステムが利用されており、日本国内でも高層マンションや大学のキャンバス、駅構内や空港、石油プラントなど公共性の高い施設、場所に設置されていることが多い。プライベートユースでは東京・世田谷のいわゆる「成城モデル」が有名だが、それらの映像伝送手段としては同軸やUTPというのが大半を占めている。
しかし、同軸やUTPは長距離伝送には向いておらず、またノイズを発するため、広大な面積での利用やFAなど機械を扱う場所には難しい。そこでこれらの弱点を補って余りある光ファイバによる伝送が注目されている。こちらはメディアコンバータなどが必要となり、初期投資は銅線ソリューションより高くつくと思われるが、「導入後のメンテナンス費用まで考慮すれば、投資対効果の面でもメリットがあるといえるのではないだろうか」と七星科学研究所の開発センターと光通信機器のマーケティング・販売で協業しているフジコミュニケーション営業部の澤田氏は述べている。また、映像伝送のほか、光ファイバセンサをセキュリティに活かす取り組みも進んでいる。
こうした光ファイバによる映像伝送をセキュアに行うためには、光ファイバ内の通信に安全性を持たせなければならない。光ファイバ通信では量子暗号という技術の研究・開発が進められている。今までは学術的な分野での研究が多く、実用化の面では見通しが立っていないように見受けられたが、装置への実装も見据えた研究・開発も活発に行われているようである。既に欧米では装置として販売もされ始めているようだ。
本特集では、光ファイバを利用したセキュリティソリューション、量子暗号技術それぞれの現状、これからの展望についてレポートする。
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