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2021年11月15日

21年度の上期業績 4社とも増収、大幅増益


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コロナ禍から回復基調 銅価高、光ケーブル伸長

大手電線メーカー4社の21年度中間連結決算が出揃った。コロナ禍から回復傾向となり全4社が増収、全利益で大幅増益を達成し、コロナ前の19年を上回るメーカーも出てきた。銅価高での産業電線や巻線の売上増、旺盛なDCやFTTx需要で高付加価値な光ケーブル増も寄与した。


トップインタビュー 矢崎エナジーシステム 矢﨑 航社長

新事業戦略 ㊤ 22年6月期の通期事業計画 売上1488億円、0.3%増 AI活用しコト売にも注力

矢崎エナジーシステムの矢﨑航社長は、取材のなかで「当社の60期(22年6月期)通期事業計画(タイ矢崎除く)では、電線出荷銅量が7万6千201㌧(前年度比横バイ)に設定した。足下の電線市場の状況からみると、コロナ禍から脱していない。電線出荷銅量も前年度比5%減で推移している。銅価は足下が㌧115万円となっており、これが続けば増収となる見通し。電線事業部門の同計画では、売上高871億円(同1・2%減)、また、当社全体では、売上高1千488億円(同0・3%増)に設定した」としたうえで「AIやIoTを活用しモノに加え、コト売りにも傾注する」と述べた。


VVF2心×2.6mm(km) 3666円~4324円高の見込み

塩ビコンパウンド㎏39~46円超UP パイプメーカーが鍵に

銅価が、㌧115万円(11日現在)と異様な高値で推移する情勢下、塩ビ系の石化材料も過去最高または飛び抜けた値上げ幅となった。先週中に塩ビ大手メーカー4社の値上げ打ち出しが出そろい、㎏あたり値上げ幅は40円以上~50円以上になった。塩ビに可塑剤の値上げ分(46円超~51円超)を加算し、㎏あたりの電線用塩ビコンパウンドの価格上昇幅を割り出すと39円~46円となり、コンパウンドメーカーは早晩、同程度の値上げを打ち出す見込み。これにともなってVVF2心×2・6㎜(㎞)で目付換算すると、電線メーカーは3千666円~4千324円の値戻しが必要になりそうだ。


フジクラ・中間決算

エネ・情通 営業益33.1%増 DC、FTTx需要拡大

フジクラの22年3月期中間連結業績は、売上高3千280億9千300万円(前年度比9・2%増)、営業利益185億9千700万円(同2・1倍)、経常利益167億1千500万円(同2・2倍)、当期純利益171億8千800万円(同23倍)で大幅な増収増益となった。エネルギー・情報通信事業部門がDC、FTTx向け好調で大幅な増収増益、電子電装・コネクタ部門も増収、黒字転換となった。


矢崎総業・CSR報告書

フィリピンロックダウンも フレキシブル生産態勢で対応

矢崎総業のCSR報告書によると、20年度通期業績は減収となり、売上比率では、国内やアジア向けが増えたが、米州やアフリカが減少した。20年度は新型コロナの拡大によってフィリピンなどでロックダウンが行われたが、同社ではフレキシブルなグローバル生産態勢が構築されており、このコロナ禍でも力を発揮した。




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