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2021年1月4・11日

トップインタビュー 日本電線工業会 井上治会長


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商習慣改善 2、3合目 輸送費の値上げ 進むも、課題が山積 コロナ禍も電力、通信などインフラ需要は底堅い

電線工業会の井上治会長(住友電工社長)は、新年合同取材のなか「コロナ禍で、テレワークの常態化をはじめ、大きな変化は間違いなく、起きる。ただ、電力や通信などのインフラ需要は底堅い。今後の5Gや自動車の電動化で、さらに電線や光ファイバの需要は伸びる見通し」とした上で、「21年度も、引き続き20年度の重点活動テーマ4項目(①環境問題への対応、②中堅中小企業の経営基盤強化支援、③グローバル化への対応、④商慣習の改善)を中心に、施策を進めていく」と述べた。このうち21年は「特に商習慣改善と中堅中小会員の支援に注力する。商習慣改善は、顧客との間で輸送費(アップ分などの)改善は、かなり進んだ。また、個人的には商慣習改善は2合目から3合目の間。まだ、まだ課題は残る。中堅中小への支援では、有益な施策が進められるように(行政機関の持続化給付金、家賃支援給付金、資金繰り支援などの)タイムリーな情報を紹介したい」とした。


そこが聞きたい 沖電線 小林一成社長

20年度通期 5%減収も増益 導体メーカーとの連携強化

沖電線の小林一成社長は、20年度通期業績見通しについて「5%程度の減収(19年度売上高110億円)を見込むが、営業損益では増益を見込む。FA・ロボットケーブルは引き合いが増えており、電線事業の上向きに期待したい。主要顧客であるロボットメーカーの下期生産数量は上期に対して2割増を見込み、当社もその需要増に対応できる生産態勢を構築している」とした上で、下期に向け「コロナ禍をきっかけに、ニューノーマルに対応する新しいビジネススタイルを確立する。また、機器用電線の性能アップのために、導体メーカーとの連携を一層強化する」と述べた。


今後の事業戦略 NTTリミテッド・J 松尾隆一取締役

世界DC需要 東京2位、大阪9位 需要増に通信・電力網不足

世界トップ3のデータセンター(DC)事業者であるNTTリミテッド・ジャパンの松尾隆一取締役ICTインフラサービス部データセンターサービス部門長(NTT Ltd.ではEVP Data center Div.)は「世界DC需要の第2位は東京、大阪は第9位となり、国内需要も大きい」とした上で「国内外で、DC需要を支える通信、電力インフラが足りない。国内では管路の確保が課題となり、国内大手電線メーカーの細径超多心光ケーブルの需要も増える見込み。また、世界のDCと長尺海底光ケーブルの接続性を非常に重要視している。今後の計画では、日本からジャカルタを経由してシンガポールに接続する光海底ケーブルを計画している」と述べた。


日本電線工業会主要7部門別出荷 10月総計5・66万t(6・8%減)、13ヵ月続減

電気機械は続伸 自動車、6カ月ぶり増加

電線工業会がまとめた銅電線主要7部門別出荷数量の10月分実績および11月分推定によれば、10月分実績は、新型コロナの影響が依然続き7部門中、電気機械と自動車を除き5部門が前年同月を割り込み、総計5万6千610㌧で前年同月比6・8%減と13カ月連続で前年を割り込んだ。コロナ禍で、新年度(4月)以降二桁減が9月まで続いたものの、10月になって減少幅が一桁台まで圧縮してきた。電気機械、自動車とも自動車の生産台数が、上向いてきたのが寄与した。


20年1月~10月累計 財務省税関別輸出 光ケーブル(数量4%増、金額46%増)5月から好転

付加価値超多心型 米国向け好調 海底線も活況、ファイバは減少り

財務省がまとめた20年1~10月累計の税関別・国別輸出統計によれば、光ケーブルは456万1千352㎏(前年同期比3・9%増)と微増だが、FOB(船積み価格)は170億5千490万円(同46・3%増)と大幅に伸長した。数量は台湾向け光海底線と北米、タイ、インドネシア向け陸上線が牽引した。金額では米国、メキシコやアイルランド、ベルギー、英国に高付加価値な超多心ケーブルの増加等が原動力となった模様。一方、光ファイバは、153万840㎏(同14・6%減)、FOBは164億6千910万円(同28・9%減)といずれもマイナスになった。米国は数量、金額とも伸びたが、欧州、中国、東南アジア、インド、中東等が鈍化した。




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