バックナンバー
2020年9月14・21日

ファーウェイ向け光機器 米中摩擦で出荷停止


電線新聞定期購読

ご購入はこちら

5G、DC市場など影響 ケーブル、デバイス需要減も

世界屈指の通信システム・通信機器ベンダのファーウェイが、かつてない苦境に立たされている。同社がキープレイヤーである「中国製造2025」の頓挫はもとより、5G基地局・端末やデータセンターにおける高速伝送システムの世界的動向にも深い影響を及ぼすとみられる。既に光デバイス・モジュールのファーウェイ向け出荷も年内ストップの状況に陥っている。


インタビュー新社長に聞く 古河マグネットワイヤ 長谷川繁幸社長

CASE向け リボン線 量産投資 5G基地局DC用など 通信インフラ需要、本格化

古河マグネットワイヤの長谷川繁幸社長は、リモート・書面取材の中で「20年度はコロナ禍の影響を受けるが、自動車のCASE拡大、通信インフラ整備の進展傾向は変わらない」とした上で、この情勢下、「リボン線と極細SUS鋼線に注力する。リボン線は5G基地局やDC等の通信インフラ用に本格採用も始まってきた。リボン線は、インダクタの一層の小型化・高効率化に向け真四角タイプや薄皮膜品、高耐熱品の開発を行っている。これに応じて量産設備投資を行う予定。また、極細SUS鋼線は、印刷精度向上に向けφ10μ未満のシングルミクロン超極細線の開発を進め、これに即し生産能力増と生産効率の向上を目的に設備投資を計画している」とした。


住友電工 水トリ―(BTT)絶縁劣化・停電が減少へ

電力ケーブル張替時期予測 電気学会『論文賞』を受賞 

住友電工の電線・エネルギー事業本部電力事業部開発部に所属する片貝昭史フェロー、同事業部生産技術部の日渡重雄グループ長、同事業部開発部の鈴木弘主幹の3氏は令和二年、電気学会の第76回電気学術振興賞で「論文賞」を受賞した。この論文では、張り巡らされている交流CVケーブルが、停電につながる「電気トリー(絶縁破壊を起こす前駆現象)」が発生するメカニズムと劣化具合の推定方法を明らかにした。同時にケーブルの寿命と張り替え時期の予想も可能にした。これによって交流CVケーブルの水トリーという絶縁劣化による停電が減少しそうだ。


軟質コンパクト ニッピリンカー 用途拡大が進む、実績30年以上

VCT ロボット電線へ採用 車用ヒーター線んも有望

ニッピは、化学架橋の軟質塩ビコンパウンド「ニッピリンカー」に注力し、電線メーカー向けに積極的な用途拡大を図っている。最近では、一部のFAロボットケーブルやVCTに用いられていることに加え、自動車用ヒーター線などでアプリ開発が進みそうだ。一方、従来から機器用電線や自動車用電線ケーブル/WH、融雪用ケーブルや熱収縮チューブ類に活用されており、既に30年以上前から採用実績を積み、国内に限らず、海外の電線メーカーからも需要が増えている。従って、アプリの拡大と同時に、海外での面的な拡大も進んでおり、電線メーカーから注目されそうだ。


主要7部門出荷 日本電線工業会 7月もコロナが響き総計5・3万t(16・1%減)

7部門すべて前年割れ 光ファイバ輸出のみ微増

電線工業会がまとめた銅電線主要7部門別出荷数量の7月分実績及び8月分推定によれば7月分実績は、新型コロナの影響が続き7部門すべてが前年同月を割り込み、総計は5万3千484㌧で前年同月比16・1%減と10カ月連続で前年を割り込んだ。とりわけ新年度(4月)以降二桁減が続き、険しい需要環境で推移している。




最新号案内 | 次号案内 | バックナンバー | 定期購読とご購入

Copyright(C) ktc-densen.com All rights reserved.