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2020年8月10日

コロナ禍、全社が減収で打撃


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情通のみ健闘、増収増益も得意分野により温度差

大手電線メーカー4社の20FY第1四半期連結業績が出そろった。コロナ禍で全社が2、3割減収になり、売上げ規模等はリーマンショック後の09年第1四半期並みに戻ったケースもある。営業損益ベースで増益はフジクラ、黒字が昭和電線、損失が住友電工と古河電工になった。一方、経常ベースでは、昭和電線だけが黒字で3社は赤字に転落した。企業ごとに得意事業や注力製品が異なり、その分野の温度差によって、業績に温度差が発生した。


トップインタビュー 冨士電線 兒玉喜直社長

CAT6A向け生産能力50%増 1ライン新設LANケーブル全体 10~15%能力アップ

冨士電線の兒玉喜直社長は、需要活発なGIGAスクール用LANケーブルの設備投資について「第2Qに掛け甲府工場でCAT6Aの生産能力増強(従来比50%増)に取り組んでいる。既存設備の改善、改良等で線速や生産効率の向上を図る。また、同じ甲府工場で8月中にも製造設備1ラインを新設し、当社のLANケーブル全体の生産能力を底上げして従来比10~15%増やす。さらにFAの機器内配線の製品化に加え、色々な用途の製品化や作業効率・省人化等を勘案し、全体最適に製品化や生産効率向上を押し進める」と述べた。一方、消防用電線は「昨年度、東京オリパラ等に向け生産能力を増強したため、今年度は、その計画はない」と語った。


住友電工 31%減収、損失へ

コロナでリーマン以来

住友電工の21年3月期第1四半期連結業績は、売上高5千152億6千600万円(前年同期比31・1%減)、営業損失371億6千300万円(同―)、経常損失421億5千400万円(同―)、四半期純損失414億9千700万円(同―)と大幅な減収、全て損失となった。


古河電工 22%減収、営業損失

車部品中心に減少

古河電工の21年3月期第1四半期連結業績は、売上高1千765億4千200万円(前年同期比(前年同期比22・0%減)、営業損失12億3千900万円(同―)、経常損失14億7千万円(同―)、四半期純利益78億3千万円(同3・4倍)と減収損失になった。売上高は新型コロナで大きく減少し、営業損失は減収が響いた。また、電装エレクトロニクス事業部門が、車部品事業を中心に減収減益となった。純利益は、特損(製品補償引当、事業譲渡損)計上も、固定資産処分益で大幅な増益になった。


フジクラ 20%減収、営業益2.1倍

スマホ向け二桁増収

フジクラの21年3月期第1四半期連結業績は、売上高1千299億円800万円(前年同期比20・0%減)、営業利益6億2千900万円(同2・1倍)、経常損失8億2千400万円(同―)、四半期純損失47億4千300万円(同―)と減収、営業損益ベースで増益になった。




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