20FY重点活動 電線工業会 商習慣の改善など4テーマ
ゴールを明確に施策検討 総会、リモートで開催
電線工業会は5日、「第66回定時総会」を東京・築地のコンワビル13階で開き、19年度事業報告と20年度事業計画・収支決算案を原案通りに承認した。20年度重点活動テーマ4事項は、昨年度に引き続き①環境問題への対応、②中堅・中小企業の経営基盤強化支援、③グローバル化への対応、④商慣習の改善へ取り組むことを決めた。また、改選期にともなって新会長に住友電工・井上治社長が、就任した。今年の総会は、新型コロナウイルスの影響でリモート方式で行った。
貿易摩擦、コロナ禍など逆風 昭和電線のみ全利益大 幅
大手電線メーカー4社の19年度連結決算が出揃った。全社が減収も、営業及び経常損益は黒字になった。全利益で昭和電線のみが大幅増益になり、他の3社は大幅減益または損失となった。光ファイバ価格の下落、米中摩擦が続き、第4Qにコロナ禍に見舞われるなか、各社の得意分野・製品、売上高海外比率などの違いで明暗が分かれた。各社の業績概要は、次の通り。
中国向け機器用減少も 印・裸銅線、バングラデシュ・Al線伸長
財務省がまとめた電線・ケーブルの輸出入通関実績(20年2月輸入、3月輸出)によると、2月輸入は2万3千900㌧(前年同月比16・3%減)となり、5カ月連続のマイナスとなった。同月分の輸出と比べ、1万4千907㌧輸入超過した。
5%減収、営業益88%減
フジクラの20年3月期通期連結業績は、売上高6千723億1千400万円(前年度比5・4%減)、営業利益33億4千600万円(同87・9%減)、経常利益13億1千200万円(同93・8%減)と減収、大幅減益になった。
取引適正化、依然難しく 強要拒否に圧力6・7%
電線工業会は「電線業界の取引適正化のために」と題し、第6回フォローアップアンケート(回答数24社、前回比1社減。回答分野建設電販9、電気機械11、その他25)を実施した。これによると、新品偏重問題、件名先物契約などの問題は依然残っている。これらの問題に対し、強要を拒否しても、全体の6・7%が取引停止の圧力を「受けている」と答えた。