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2020年5月11日

テレワーク進み、DC市場も拡大


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電力ケーブル需要も期待 消費電力が増大へ

新型コロナウィルス対策でテレワークが進むこともあり、データセンター(DC)市場が、一段と活気を帯びてきた。テレワークでトラフィック量が増大しているためだ。さらに、政府が進めるGIGAスクール構想や5G時代の到来も索引車になっている。これに応じ電線メーカーでは、光ケーブルなどの情通ケーブルのみならず、電力ケーブルの需要も発生する見込みで、期待感が高まりそうだ。


トップインタビュー 三映電子工業 押金達雄社長

Φ0.2mm以上の需要増に対応 大手・平角線と棲み分け

三映電子工業の押金達雄社長は「19年10月期の通期業績は売上高62億円(前年度比9.5%減)で減収となった。主力の車載向けは、19年1Qから中国問題を中心にカーメーカーの生産調整などが始まり、需要が減少した」と語った。また、今後の技術開発について「国内巻線市場は、一部巻線メーカーの撤退に加え、大手と中堅中小巻線メーカー間で平角線と丸線 の棲み分けが進み、当社では線径Φ0.2mm以上のニーズが増えている。この需要増に対応し、線径Φ0.2mm以上の伸線機・焼付機の増強を検討している。ただ、このサイズでも高付加価値な特殊線を製造するのは変わらない」とした。


そこが聞ききたい 日本DC協会 増永直大事務局長

国内大型DC市場 19暦年2000億円(10%増) 今後3年で15案件

日本データセンター協会の増永直大事務局長は「国内DC市場は、大型データセンター建設投資を支えに伸長している。19暦年の国内大型DC建設市場規模は2千億円で前年比10%伸長し、この勢いが少なくとも23年度までは続く見込み。近年3千ラックの標準的なDCの総額は、1棟700億円。このうちLANケーブルは1億円程度で、数量ベースでは約1万kmと試算している」とした上で、今後の市場動向について「DC建設案件は、今後3年間で関東圏、大阪などでクラウド事業者を中心に約15件を建設する見込み。同案件は、電源容量20~100MW超まで様々ある」と述べた。


日本電線工業会調べ主要7部門別出荷

建設電販とクルマ増加も 電気機械などの不調が左右

電線工業会がまとめた19年度の銅電線主要7部門別出荷数量(19年4~2月分実績、3月分推定)によれば、上期は比較的に健闘し、増加した月が多かったものの、10月以降の下期は連続6カ月間前年を割り込み、総計は69万2千810トンで前年度比0.7%減となる見通し。昨年10月に令和元年東日本台風(19号)や水害に見舞われたことに新型コロナウィルスの影響もあった。
主要7部門中、建販などの4部門が伸長したものの、電気機械、その他内需など3部門が前年度を下回った。東京オリンピック・パラリンピックや都市開発向けなどの建販が健闘し、自動車も好調を持続したものの、電気機械が米中貿易摩擦の影響などによって13カ年以上連続して前年同月を下回ったのが、左右した。


古河電工 吉田政雄・特別顧問

旭日重光章を受章へ

古河電工の吉田政雄・常勤特別顧問(元社長COO)が、春の叙勲で「旭日重光章」を受賞した。日本の産業振興に貢献した功労による。
吉田政雄・特別常勤顧問は、「受賞は、私個人が受け取るものではなく、これまで関わってきた関連業界や弊社グループを代表して頂いたと受け止めている。関係者の皆様に、心から感謝を申し上げる。私は、技術革新によって素材の機能性を高め、エンジニアリング手法と組み合わせて商品の付加価値を上げて、ユーザへ提案するよう心掛けてきた。今後とも探求心を忘れずに、微力ながら皆様の約に立てるよう努めたい」と語った。




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