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2020年3月16日

日本で健闘する海外電線メーカー


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高付加価値が武器 市場に根付く技術力

国内電線需要が鈍化する情勢下、日本に拠点を持つ主な海外電線メーカーは、約20社ある。大半が設立10年以上に達し、ほとんどが特徴的な製品や高付加価値技術等を持ち、日本市場に根ざしている。中には米・コムスコープや独・イグスのように独自技術で存在感を発揮する企業もある。


そこが聞きたい 矢崎エナジーシステム
執行役員電線事業部長 河合良修氏 

適正価格を継続
20年6月期 通期見込み 売上873億円(4%減)も増益
建販再編で過当競争避け利益体質重視

矢崎エナジーシステムの河合良修執行役員電線事業部長は、電線事業部(非連結)の20年6月期(19年7月~20年6月)の通期業績見通しについて「通期売上高は銅ベースの下落で873億円(前年度比4%減)だが、利益面では増益を見込む。販売価格は安定しており、顧客第一を主眼としながら今後も無理な販売に走らずに適正価格を継続する。上期は前年同期と今年度の計画を上回るペースだが、新型肺炎と銅価の影響で、残りの数カ月で売上高や収益等が変動する可能性があり、楽観視できない」と述べたうえで、次期計画は「電線の出荷量のもいを追わず、コストや物流費等を含めた適正利益の確保を重視し、販促戦略や生産プランを組む方針は変わらない」と述べた。建販市場再編に対しても「他社との過当競争を避けて、利益体質を重視し、『矢崎らしい営業』スタイルでいく」とした。」


通関実績財務省調べ 1月輸出、7.6千トン(17%減)

UAE向け電力線一巡 光ケーブルは米国伸長

財務省がまとめた輸出入通関実績(輸入19年12月、輸出20年1月)によると、12月分の輸入は3万2千526トン(前年同月比2.8%減)で3カ月連続のマイナス。12月分の輸出と比較し2万974トンの輸入超過となった。20年1月分の輸出は7千558トン(同16.8%減)で2カ月連続のマイナス。光ケーブルは米国向けに伸長したが、前年同月に発生したUAE向け電力ケーブルのスポット需要の反動が響いた。
19暦年の輸入は、39万8千213トン(前年比3.7%減)となった。5品種中絶縁電線、光ケーブル、裸銅線、アルミ線の4品種がプラスとなった。絶縁電線は37万7千299トン(同2.1%増)となり、中国が減少したが、越、比、インドネシアが伸長した。中国から東南アジアへの生産シフトが進み、数量ベースで越が中国を逆転した。光ケーブルは983トン(同12.9%増)で中国、米国からの応援輸出が牽引した。


NTT モード光多重の長距離実験

世界初成功、9千km超

NTTは、光ファイバを伝搬する複数の空間モードを利用した、世界初の太平洋横断級長距離光伝送実験に成功したと発表した。
これにより従来比で最大6倍の大容量長距離光通信システムの実現可能性が示された。また、多重度を制御することで、9千kmを超える太平洋横断級の長距離伝送が可能であることを世界で初めて実証した。
5Gの開始やIoTの普及にともない、通信需要は増え続けており、既存のシングルモード光ファイバを用いた光通信システムの限界が見えつつある。この危機を回避するための次世代の基盤技術として、空間分割多重技術が注目されている。同技術は、光の通り道となるコアや空間モードを複数利用できる新しい光ファイバを伝送媒体とすることで、伝送容量を飛躍的に向上することができる。その一方、長距離伝送時には信号波形に歪みが増えることが課題となっていた。今回、NTTはこの課題を解決し、モード多重光信号の長距離伝送を可能にする伝送技術(巡回モード群置換)を新たに開発した。


東特電線 新社長に川口寛氏 鈴木社長は会長へ

東京特殊電線は12日、新代表取締役社長に古河電工の川口寛執行役員専務が20年6月、就任すると発表した。これにより、鈴木義博社長は、取締役会長に就く。
【略歴】川口寛(かわぐち・ひろし)氏=1957(昭和32)年9月生まれ。82年3月大阪大学基礎工学部を卒業し、82年4月古河電工に入社。06年6月金属カンパニー企画管理部長、10年4月金属カンパニー銅管事業部長、13年4月銅管事業部門長、14年4月執行役員銅管事業部門長、16年4月執行役員常務電装エレクトロニクス材料統括部門長兼同部門銅管事業部門長、18年4月執行役員専務電装エレクトロニクス統括部門長、19年4月執行役員専務電装エレクトロニクス統括部門長兼同統括部門企画統括部長を経て、20年6月東京特殊電線代表取締役社長に就任予定。




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