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2020年2月17日・24日

配送費高で、実費負担を電設協へ要望


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3団体 電工会、配電システム工業会など
全日電材連 チラシ作成し、交渉

配送費の上昇にともなう実費分の価格転嫁が、満足に進んでいない。そのため日本電線工業会(小林敬一:会長)、全日本電設資材卸業協同組合連合会(=全日電材連、忍田勉:会長)、配電盤業界の日本配電制御システム工業会(宇賀神清孝:会長)の3団体は19年12月、ユーザーとなる日本電設工業協会へ、電線ケーブル輸送費等の値上がり分の実費負担の要望について、「電線の輸送費高騰等に関するご理解とご協力のお願い」などと題して行った。電線業界をはじめ、いずれの業界も収益圧迫にさらされる情勢下、異例な要望となった。中には全日電材連のように、この件でユーザー向けにチラシを作成しながら、値上げ交渉に一層積極的に取り組むケースもある。


そこが聞きたい ビックケミー・J 小川康治部長

巻線ワニス国内再編 グループで前向きに日系車メーカー向け傾注

独・アルタナグループの日本法人ビックケミー・ジャパンエランタス事業部の小川康治部長は、国内ワニス業界の再編について「その行方を注視している。当社としては、グループ間で緊密に連携し、ユーザーにできる限りの便宜を図りながら前向きに対応していく。エランタスは国内で日系カーメーカー向けの展開を強化していく」と述べたうえで、フーバーグループの買収については「インドでは中価格帯の家電や産機向け汎用エナメル巻線のニーズが大きい。現状、エランタスは同国巻線市場のシェア7~8割を占めており、この買収で技術力や原材料の調達能力などを強化した。」と述べた。  


電線工業会調べ主要7部門の出荷

12月の総計5.46万t(0.1%減少) 建販が健闘、2.85万t(1.3%増)
19暦年 合計0.2%伸長、69.7万t

電線工業会がまとめた銅電線主要7部門別出荷数量の19年12月分実績及び20年1月分推定によれば、12月分実績は、自動車と建設電販等は前年を上回ったものの、電気機械とその他内需などが減少し、総計は5万6千694トンで前年同月比0.1%減と、3ヶ月連続で水面下に沈んだ。
また、光ファイバケーブルを含む光製品は、国内外向けとも減少し、総計は263万3千kmCで同32.9%減と8カ月連続で前年を割り込んだ。
この結果、19暦年(1~12月)通期の電線出荷総計は、69万6千547トンで前年比0.2%増加した。建設電販(34.5万トン、同4.1%増)と自動車(9.0万トン、同6.7%増)の2部門が健闘し全体を底上げしたことで、トータルでわずかにプラスになった。一方、金額ベースでは銅価の下落が響き、1兆2千249億4千400万円で同+-ゼロとなった。自動車(同8.3%増)、建設電販(同0.8%増)、その他内需(同2.5%増)の3部門が前年を上回った。


中堅電線7社第3Q決算

経常増益はオーナンバのみ
貿易問題の影響続く 向かい風、全社が営業減益

中堅電線メーカー7社の19年度第3四半期連結業績(一部20年2月期、19暦年通期など)は、上期と同様に、総じて不調だった。営業損益ベースで増益だったメーカーはなく、オーナンバのみが経常増益を計上した。増収は、JMACSとカナレ電気の2社に留まり、「減収減益」が5社となった。都市再開発案件などで建販売電線の需要は堅調なものの、米中貿易摩擦の影響が依然として続き、アゲンストの風が吹きすさぶ。


三ツ星 技術開発センターが竣工

高付加価値電線、上市に向け

三ッ星は2月4日、滋賀工場(滋賀県甲賀市)の「技術開発センター」の竣工式を開き、甲賀市の正木仙治郎副市長や金融機関関係者など約30人が参集した。
三ッ星は、神事の後にオープニングセレモニーを行った。同セレモニーの挨拶に立った競良一社長は「我々電線メーカーは、価格競争にともなう低収益構造がある一方で、新技術・新分野の開拓が大きな命題となっている。そのため、ユーザニーズを汲み取り、潜在的な新規技術を先取りする技術開発センターを立ち上げだ。従来から開拓していた水回りの電線などは過去最高の売上げとなった。今後の政府予算では防災関係に重きが置かれ、防潮堤・防波堤や河川・ダムなど水害時にお役に立てる即効性のある開発を行っていく。これから三ッ星に期待して頂きたい」と述べた。




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