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2020年1月6日

トップインタビュー 日本電線工業会 小林敬一会長


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需要変化追う電工会
引取適正化 輸送費高の理解を需要家に
年度内に自主行動計画を取りまとめ

電線工業会の小林敬一・会長(古河電工社長)は、共同取材で「19年度の電線総出荷は、建設電販需要の好調と自動車の電動化で5年ぶりに70万トンを上回りそうな見通し」とした。GAFAなどが光海底ケーブルを敷設する情勢下、「需要の変化を追いかけ、それに対応した電線工業会を目指したい」とした上で、重点活動テーマは「4項目を中心にしっかりと推し進める。そのうち中堅・中小会員への支援策は、昨年4月に公表した品質保証体制に向けたガイドラインの説明会を東京と大阪で開催した。また、取引適正化の取組は、会員の取引適正化活動フォローアップでの要望に基づき、昨年は電線需要家団体に電線の輸送費高騰などに関する課題の理解と協力を求める要請を発信。同時にその要請(書面)を各社の業務に活用して頂いている。国と自動車業界等では、自主行動計画を策定しており、そのフォローアップを進めている。電線業界でも、こうした行動計画を、年度内を目処にまとめる予定でいる」と述べた。


増収69%も「増益」39%(14ポイント減)と
「減益」55%(18ポイント増)が逆転

五輪、再開発で建販活発も 米中摩擦、配送費高など響く

帝国データバンク全国非上場電線メーカー120社の最新業績動向(決算期18年3月期など)によると、増収が全体の69.2%(83社)を占めウェイトが高いものの、前年度(対象114社)に比べ10.6ポイント減少した。東京五輪や再開発案件など建販需要は活発ながらも、米中貿易摩擦が向かい風になり、機器用電線等が振るわず、さらに配送費高や銅価低下も影響した。そのため、利益面(当期純利益)では、増益4割弱に減り、増益(39.2%=47社、前年度比14.3ポイント減)と減益(55.0%=66社、同18.2ポイント増)の割合が逆転する厳しい結果になった。


電線製造業18FY経営分析 売上高4.3兆円(9%増)、(経常1%増)も

収益指標 一転して下降へ 営業益、当期益率など低下

電線工業会がまとめた第42回「電線製造業の18年度経営分析」(集計対象85社)によると、電線メーカーの18年度業績は、売上高4兆3千58億円(前年度比9.1%増)、経常利益2千19億円(同1.0%増)と増収増益だった。ただ、当期利益は1千657億円(同0.5%減)と微減益になった。主要経営指標のうち収益性を表す指標は、17年度は上向いたが18年度は一転して下降し、総資本利益率、株主資本利益率、売上高営業利益率、売上高当期利益率等の各種収益性を表す指標の大半で前年度を下回った。健全性を表す指標も株主資本比率、固定比率が前年度を割り込んだ。


電線新聞「新年メーカー・流通アンケート調査」

建販需要、流通の58%が順調
流通とメーカー建販、順調20ポイント増 米中摩擦の回復 20FY下期メーカー38%

本紙がまとめた「20年新年電線メーカー・電線流通アンケート」によると、五輪や首都圏再開発で「建販需要」について、最も多かったのは、メーカーが「やや動く」(34.4%)、流通は「順調に動く」(57.9%)とメーカーの方が慎重だった。ただ、「順調に動く」を前年比でみるとメーカー19.8ポイント増え、流通も24.6ポイント増加した。米中貿易摩擦による電線需要の回復は、「見当が付かない」(メーカー35.3%、流通72.2%)を除けば、「20年度下期」(メーカー38.2%、流通22.2%)とする回答が最も多かった。(有効回答数メーカー68社、流通38社)


19年1月~10月累計 財務省税関別輸出

光ケーブル(数量)3割減、踊り場
光ファイバ総額、18%減 中国や北米など減少

財務省の19年1月~10月累計・税関別/国別輸出統計によると、光ケーブルは439万814kg(前年同期比36.5%減)と大きく落ち込み、光ファイバも179万2千974kg(同8.5%減)と減少。光ケーブルは横浜税関等のインドネシアやアラブ、成田支署等の北米向け、戸畑支署のロシア、インドネシアなどが減少したのが響いた。光ファイバは、横浜税関の中国、成田支署の米国等の減少が左右した。また、光ファイバは数量より、金額の落ち込み幅が大きい。




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