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2016年9月12日

進むアルミ化の潮流


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産業用電線 一部動くも混沌 車WH、高周波同軸は浸透

アルミは銅より、軽く価格が安定し安価なため、電線の導体アルミ化が進む。携帯電話基地局用高周波同軸や自動車用ワイヤーハーネスに加え、産業用電線分野でも一部アルミが使われ始め混沌ながらも、それは動き出した。
産業電線・建販分野でも導体アルミ化が進み出した。その一つが、古河エレコムのマンション・ビル用ハーネス「超軽量ハイブリッドBH」低圧分岐付ケーブル。幹線部分をアルミ導体に変え、幹線から分岐する支線は銅導体のままにした。今迄のオール銅導体製の同ハーネスに比べ重さは2分の1(導体公称断面積が同じ場合)。軽いため工事業者の作業が大幅にはかどり時短になる。
一方、電線導体で、銅に対するアルミとのメリットとデメリットを検証すると、メリット=①銅建値で変わるが価格が安価(約3分1)で、資源が豊富。②軽い(比重が3分の1以下、銅8.89でアルミ2.70)。デメリット=③電導率が低い(銅の約6割、銅導体より1サイズ太いが、比重が軽く重さは約半分)。④引っ張り強度が低い(銅の約半分)、薄くすると不振に弱くクラックが入りやすい。⑤柔らかく変形性が大きい(接続作業の高度化)。⑥異種金属との接触で電食が発生する可能性が高い(セットでコネクタ開発が必要でアルミ電線の開発だけでは片手落ち)。
古河エレコムの「超軽量ハイブリッドBH」は、アルミの一番の難点であるコネクタの電食を、モールドにし工場で仕上げ、これを改善した。また、他のメーカーではメッキ技術で、電食の改善に挑む。現在、開発中で勝算の兆しがあるという。


インタビュー新茶長に聞く 古河テレコム 信崎 卓社長

中計18FY 今期計画下期挽回に全力
売上高500億円、営業益倍増(15FY対比)

古河エレコムの信崎卓・新社長は「16FY事業計画で増収増益を見込み、同出荷銅量見通しも1千750トン(前年度比9.4%増)に設定した。しかし、銅価下落や市況低迷で足下は同事業計画と実績に乖離が発生。今年度業績は需要期の下期以降、上期の乖離分をどれだけ挽回できるかにある」とした上で「18FY中計目標では、最終の18FYに売上高500億円、営業利益は15FY実績比で倍増させ収益力アップを行う。管路材等の非電線の拡販にも力を注ぐ。一方、工事業者は過去最高の受注残を抱える。ただ、人手不足問題。顧客の課題は我々の課題とし、古河電工グループのコア技術を顧客の役立つ『技術』や『古河らくらく商品』へと発展または進化させ顧客の課題を一緒に解決し、それで中計目標を達成したい」と語った。


トップインタビュー 古河電工産業電線 松本康一郎社長

古河電工産業電線の松本康一郎社長は「16FY通期事業計画は、月間出荷銅量の予算が上期2千56トン、下期2千491トンで年商327億円(前年度比7.2%増)だが、利益は銅下落でやや厳しい。ただ、第1Q営業利益は機能線が好調で予算比18倍となった。需要環境は険しいが利益を出せる方向性が固まってきた」とした上で、一層の利益向上に向け4工場で5~10%の生産性アップ(導体内製化等含み)と、機能線でニーズに即し差別化された製品を迅速展開して「17FYには新製品売上高10億円とし、それに基幹製品売上高14億円を上積みした合計で24億円の拡大を図る」とした。20FY中計では20FY月間出荷量銅量の見通しが2千411トン(うち機能線30%、汎用線70%)で年商375億円で15FY対比23%増、営業利益は同7倍を目指す意向だ。


日立金属 チェコで鉄道車両ハーネス加工

欧州向け10月から量産

日立金属は7日、チェコ拠点に鉄道車両用電線のハーネス組立ラインを導入したと表明した。16年10月から量産を開始する。
これは自動車電装部品やブレーキホースを製造する子会社・日立ケーブルヨーロッパ(ウースティー州ジャテツ)で既存の建屋に設備機器を配備するもの。ハーネス化のソリューションで付加価値を高め、欧州需要を効率的に捕捉する。
同社は新幹線用特高圧ケーブルなどの鉄道車両用電線の製造だけでなく、鉄道車両の3D配線設計サービスやその設計データを基にしたハーネスの組立までのソリューションを提供しているが、チェコ拠点にハーネス組立ラインの導入によって欧州鉄道車両メーカーの作業工数削減や工期短縮に貢献するという。
鉄道車両は安全性や利便性向上に向けた電装化が進む。これにともない車体内部の配線は、より複雑化しており、作業の難度が高くなっている。
また、チェコ拠点は英国、独、仏を始め鉄道網整備が活発な欧州市場を対象にしたもので、欧州各国へのアクセスにも優れている。今回の投資では欧州での成長に向け、付加価値を高める体制を敷く。鉄道分野での売上高は、欧州での拡販などグローバル戦略を推進しながら18年度には15年度比1.5倍の140億円を目指す。


カンザック メッキラインを増設

福井工場で約50%増

古河電工グループのカンザックは、中期ビジョンで最終年度の20FYには売上高を、15FYの35億円から50億円へ拡大させる。
主要3事業の中で、めっき加工(メタル部品事業)を成長の柱にし、経営資源を重点的に投ずる構えだ。今年度中に約1億円を設備投資し、16FY第4四半期(17年1~3月)中には立ち上がる見通しで、電子部品に用いる民生機器向け商材ベース銅/板状などめっき加工の生産能力を、約50%のアップをさせる。
福井工場(福井県坂井市)で、銅板条等のめっき加工連続製造設備を4ライン増設し、19ラインにする。現状は連続コーティングを行うマシンは15ラインあり、受注が好調で製造は繁忙が続く。今回の設備投資によって生産負担を軽減させながら、製造製品の構成について高付加価値製品の割合を増進させていく。
新設設備では民生機器向け商材の増産を図るとともに、車載用AV機器用途などの電子部品も生産する。車載の対象は古河電工グループが手掛ける電子部品SRC(ステアリング・ロール・コネクタ)の端子など。SRCの端子部品にスズリフローめっきを掛ける予定。同時に、これまで取り組んできた新メッキ被膜品への開発も加速させていく方針。




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